フリーランスの活動を始めて早1年が経ちました。僕の場合は文章で開業しましたが、まったくの初心者からスタートしたので、最初は未来が全く見えず、とても怖かったことを覚えています。
周りのみんなは会社に通勤するだけで給料の心配がない。新卒で月給22万円くらい貰えて、しかも仕事がなくなる心配が一切ないのは、とても羨ましいなと正直感じていました。
でも、フリーランスの活動を通して良かったことも多いです。
本記事では、1年間フリーランスのライターとして走ってきた僕が、フリーランスのメリット・デメリットを紹介していければと思います。
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【結論】フリーランスになりたいならスモールスタートから
最初に結論をお伝えすると「フリーランスになりたい」と思っているのなら、挑戦する価値はあると思います。
ただし、活動するにあたって、いきなり開業届を提出するのではなく、まずはスモールスタートで始めることを推奨します。
特に会社勤めの人や大学に通っている人、アルバイトをしている人は、その環境をキープしたままライターとして活動してみましょう。本業の収入に加えて、年間20万円の収入を獲得するまでは確定申告が必要ないので、開業届を出す必要もありません。
スモールスタートがビジネスの基本です。いきなり自分の置かれている環境を飛び出してライターになるのは危険です。これが本記事で伝えたい結論になります。
目処が立ったらフリーランス開業しよう
「自分的」で全く問題ないのですが、生活できる目処がたったら開業届を提出しましょう。
例えば、
- 家賃5万円+生活費5万円(光熱費込み)=月10万円あれば生きていける→開業
- 1日に1万文字かければ、月収20万円到達するはずだ。→開業
- 30日毎日執筆しても全然大丈夫な精神状態だ→開業
というように自分なりに「最低限このラインを越えれば良い」と決めてフリーランス開業しましょう。
ちなみに、僕は家賃3.5万円+生活費3万円=7万円くらいあればいい。そう思って開業しました。
フリーランスになって感じたデメリット9つ
まずは、フリーランスになって感じたデメリットを9つ紹介します。(とにかく列挙しているので、多めになっています。)
収入に浮き沈みがある
フリーランスの醍醐味ですね。収入が安定しません。ギャンブルと言われても仕方ないでしょう。1年ライターとして活動している中でも当然浮き沈みがあります。
なので「月収〇万円毎月稼ぐ」ということを目標にすると、心が折れますよ。
ただし、実際にフリーランスになってみると、頑張れば浮き・沈みの幅を最小限に抑えられることがわかりました。世間が考えるフリーランスのイメージとは少しずれているかもしれません。
ボーナスがない
先日地元の友人数人と会う機会があったのですが、みんな見事に会社に就職していました。そんな中、「ふだん何やってんの」という話題が出てくるのです。
僕は、Webライターをやっていること、通勤がなく家で作業できること、つまらない仕事は断ってしまえば良いことなどを話しました。
すると「へー、でもボーナスないんでしょ?」
全くボーナスのことを考えてなかったので、そういえばそうだなと。確かに、ボーナスない分他の人より収入があってもトントンだなと感じたのです。
新卒でライターになったので、ボーナスをもらったことがありませんでした。そこらへん無頓着だったかもしれません。ただ、現状ボーナスをもらっている人はそのギャップにやられてしまう可能性があるので注意したいです。
営業・作業・フィードバック作業は全て自分
会社に所属していると、各部署にわかれて業務を行います。簡単にいえば分業している形になりますよね。ところがフリーランスの場合、すべての仕事を自分1人でやる必要があるのです。
自分で仕事をとってくる(営業)、もらった仕事をこなす(作業)、作業内容にかかった時間の集計や業務クオリティがどうだったかの確認(フィードバック作業)をすべて自分でやる必要があります。
自分が受けられる仕事量に対して発生する業務なので、通常の会社の3倍忙しいかと言われれば、そうではありませんが、様々な仕事を自らだけでやる必要があるのは少し大変です。
精神的に参りそうな時がある
自分がフリーランスとしてどの立ち位置にいるのか、会社員と比較して自分はどんな価値を提供できているのだろうか。など、考え詰めてしまう時があります。
良いことも悪いことも、すべて自分の身に降りかかってくるので考える必要があるのです。
体調が優れない時も、休みたい時も脳が常に考え続けているのがフリーランスなので、精神的にきつくなることが結構ありますね。
昼夜逆転生活になりがち
フリーランスはどこでも作業ができます。また、作業時間が明確に決まっているわけではありません。深夜に作業を始めてしまうこともよくあります。
気づけば深夜3時。寝て起きたら昼12時を回っていて、寝れなくて、昼夜逆転してしまうという現象が本当によくあります。
健康的によくありませんし「なんでこんな時間に」と精神的にキツくなってしまいます。その上、直せず辛い期間が続いてしまうことも結構…
会社に勤めている方の生活習慣が羨ましいと感じることは多いです。
周囲からの目が気になる
「何やっているんですか?」と初対面の人に聞かれた時、いつも印象は最悪です。特に、お年を召した方と話す時は、目を合わせたくないほど。
もっといえば「こいつ平日の昼間からカフェに来て暇なのか?」「いつも朝マックに手ぶらで来るあいつはニート?」
↑流石に被害妄想すぎですが、本当にそんな感じで周囲の目が気になります。
成長を感じるのが難しい
誰かに「成長したね」と声をかけてもらうことはほぼないので、1年前と比較して成長できているのかはいつも不安になります。
たまに普段仕事をしているクライアント様からお褒めの言葉をいただくこともありますが、
例えば、
- 文章を書くスピードが上がったか
- 時間単価が上がっているか
- 業務のこなし方がスムーズになっているか
みたいな、クライアント様からは見えない「業務のこなし方」について成長を感じるのは本当に難しいのです。
自分がどの立ち位置にいるのか明確になっていないため、どのように改善すれば良いのかなどがわからず、困ることもあります。
仕事を入れすぎるときつい
フリーランスは仕事が入れ放題。稼ぎたければ入れればいいし、ゆったりしたければ入れなければいい。
これが本質なのですが、僕はとにかく仕事してないと罪悪感を覚えてしまうような人なので、入れすぎちゃうんですね。
「いやー自分は休める時、休みたい人だから大丈夫!」
そう考えているあなた、甘いですよ。僕もフリーランスになった一番のきっかけは「自分のペースで仕事できる」でしたので。フリーランスになれば自分の性格なんて変わってしまうのですよ。
仕事入れすぎはきついし、入れないのもきつい。ちょうどいい塩梅を見つけるのが一番難しいかもしれません。
最初は稼げるイメージがつかない
まだフリーランスになっていない人は、どのように稼いでいくか、ざっくりとしか把握していないのではないでしょうか。
- とりあえずやってれば稼げる
- 終わらせたら〇円だから月10件終わらせればいい
- 1件あたり3時間くらいかかるから月間180時間働けば良いな
これ、ちょっとまずいです。なぜなら、やることしか考えていないから。フリーランスで大事なのは「やらない」こと。やらない時間をどれだけ確保できるかを踏まえた上で稼ぎをイメージする必要があるのです。
一般的にイメージしやすい会社勤めとは全く違う働き方なので、ちゃんとイメージしておくことが求められますよ。
フリーランスになって感じたメリット11
ここまでデメリットを列挙してきましたが、実際のところメリットに感じていることの方が多いです。ここではフリーランスになって感じたメリットを11個紹介します。
自分の裁量でなんでも決められる
なんといっても自分の裁量で全て決められます。他人に労働時間を握られていないということです。そのため、納期さえ守れば1日が自由に構成できます。
例えば、朝は8時に起きよう。起きてから12時半まで自宅で作業して、お昼ご飯は1時半まで。少し眠くなるので、ちょっと遠目の図書館へ行って作業する。図書館では3時間くらい作業して家に帰ってからブログ書こう。
とある1日のスケジュールですが、本当に自由。自発的に作業できるので「やらされている感」から生まれるストレスは一切ありません。
仕事場所にとらわれない
満員電車に乗って職場に向かう。定時までオフィスにこもって、また満員電車。みたいな辛さはありません。
フリーランスの場合、家で仕事ができます。少し運動したければ歩いてカフェや図書館へ行き、作業することもできます。
仕事のストレスのうち「場所による悩み」が4割くらいを占めているのではないでしょうか。
- 満員度電車がきつい
- リラックスできない
- 常に見られている気がする
フリーランスなら場所からくるストレスは一切感じることなく、自分の作業に没頭できます。
簡単に収入を伸ばせる
会社員の場合、1日8時間労働が当たり前。残業代が出るとしても、追加で2〜3時間働かされることもあるでしょう。
平均労働時間は月間200~220時間。20代全体を見てみると、平均手取り20~23万円くらいになるのが一般的なようです。
一方フリーランスの僕の場合、月間労働時間は多くて130時間程度です。自分が付けている単価計算表によれば、時給2,300円を下回ることはないので、労働時間の割に高い収入が期待できるといえるでしょう。
また、ライターに限ってかもしれませんが、単価が1円上がると収入が跳ね上がるという仕組みがあるので、簡単に収入を伸ばせます。
やりたくない日はサボれる
もちろん納期厳守ですが、うまく調整すればいつでも休めます。どうしても眠たくて布団にくるまっていたい日や、手が痛くて作業できない日、特に理由はないけど休日を確保したい日など、本当に自由です。
会社勤めやアルバイトだとそんなわけにも行かないので、その点フリーランスは自由度が高いです。
ビジネスチャンスを確実に掴み取れる
自分が新しいビジネスに挑戦しようとした時、すぐに参入できるのでもしかすると大きなビジネスチャンスを手にできるかもしれません。
例えば、僕は大学でデザインをやっていたのですが、たまにデザインの仕事が入ってくることがあります。そんな時、会社に勤めていたら副業禁止とか作業時間が確保できないとかで断らなければならないこともあるのです。
「会社があるから…」と考えることなく自分のやりたいことをやれるのは、大きなメリットでしょう。
特定分野のスペシャリストになれる
「僕は文章のスペシャリストです!」と言い張ることができます。「デザイナーです。」とか「プログラマーです。」とかいえます。
また、特定の分野に絞って作業するので嫌でも他の人より上達します。
誰にも怒られない
会社だと上司に怒られるとかあるのではないでしょうか。フリーランスだと、濃い人間関係が少ないので、クライアント様から怒られることがほとんどありません。
納品物の質が悪かったら継続はなくなるのですが…
僕みたいに怒られるのが苦手な人は、ストレスフリーに働けると思います。
急な用事にも対応できる
「明日登山行こうぜー」
といった用事にも対応できます。会社員だったら不可能な予定も調整可能なのです。
基本的にはパソコン1つでできるので最悪の場合ですが、旅行先に持って行って作業することも可能となります。
スケジュールを調整しやすいのは大きなメリットではないでしょうか。
無駄なコミュニケーションがない
会社で働く場合、上司とのやり取りや取引先との打ち合わせなどに参加させられることがあるでしょう。もちろん、全てが無駄な会議だとはいえませんが、ほとんどの場合何も決まらずただ時間だけがすぎているというケースが多いのではないでしょうか。
また、そんな時間があるなら、自分に残っている仕事をこなしたいと感じることもあるでしょう。
フリーランスの場合は、無駄な会議や会話などが一切ありません。自分の目の前にある仕事だけやっていればいいのです。
実際、僕自身は1年間仕事をしてきて、無駄な打ち合わせを受けたことはありません。打ち合わせがアサインされていたとしても15~30分と時間を決めて、有意義な会議をすることができます。また、もちろんzoomなのでどこかにいく必要もありません。
好きな時に休憩できる
フリーランスは1日の作業スケジュールを自分で全て管理できます。そのため、自由なタイミングで休憩を取ることができます。
「少しお腹が空いたからご飯を。」
「ちょっと眠いから1時間くらい休憩しよう」
「買い物行こー」
咄嗟に思いついた出来事をやることができるのです。
こんな感じで毎日が過ぎていくので、誰かにスケジュール握られている感は一切なく。好きなようにやればのです。
シンプルな生活になる
とにかく作業して→寝る
全て自分が仕事を選んでやっているので、自分が苦手と感じる「複雑な仕事」が増えて行きません。仕事は超シンプルになります。
また、仕事部屋兼自宅にすれば、仕事と生活の切り替えを一切する必要がなく、複雑な移動がなくなるため、自分の好きな時に切り替えることができます。
例えば僕の場合、仕事中にギターが弾きたくなったら、横に置いてある6本の中から気分に合わせて選び、椅子の上で弾き語りしたり。
常備してあるノコギリでDIYを始めたりということもできるのです。
まとめると、フリーランスはシンプルな日常を過ごすことができるから、余裕が生まれて新たなことに挑戦しやすいというメリットはあると思います。
フリーランスは覚悟を決めればメリットが大きい
本記事では、フリーランスのメリット・デメリットを紹介してきました。
正直なところ、メリットで悩んでしまうこともあります。収入が少なくなり、こんなに頑張ったのに…と落ち込むこともあります。
しかし、僕は仕事に対して「覚悟」を決めてからデメリットに悩まされることは少なくなりました。言い換えれば「フリーランスだからしゃーない」って諦めたということですかね。
収入の浮き沈みはしゃーない、周囲の目はしゃーない、って感じ。
そこら辺はキッパリ諦めて、
でも「昼夜逆転生活になりがちなのはルーティーンを決めればいい」「成長を感じれるために作業メモを残す」というように、改善できそうな部分は全力で改善していくように仕事すれば、フリーランスのメリットをうまく感じ取れるでしょう。
これからフリーランスになろうとしている方の参考になれば幸いです。