コーヒー豆の焙煎度は非常に奥が深い分野です。カフェでは「ブレンドコーヒー1つ」といえば、勝手に商品が提供されるので、焙煎度についてあまり考えたことがない方も多いのではないでしょうか。
しかし、焙煎度によってコーヒーの風味が大きく変化するのも事実。同じ豆を使用しても浅煎りと深煎りでは全然話が変わってきます。
今回は、ミディアムローストの特徴と味わいについて紹介します。実際に僕自身が焙煎し、豆の味わいを紹介しているので、参考にしていただければと思います。
焙煎する豆は「エチオピアのイルガチェフェ」で統一しています。機会があれば別の豆でも焙煎してみますね。
そもそも焙煎とは?
焙煎については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ざっくり解説すると、コーヒー豆を炒る作業のことですね。コーヒー豆は熱を加えると少しずつ色味が濃くなっていくのですが、どこで止めるかによって味わいが変わります。その調整を行う作業が「焙煎」ということですね。
ミディアムローストとは
ミディアムローストは、まさにコーヒーらしい味わいが感じられる焙煎度だと焙煎度だといわれています。一般的に、コーヒーの焙煎度は8段階で表現されるのですが、浅煎りの方から3番目がミディアムローストです。
焙煎度 | 名称 |
1 | ライトロースト(浅煎り) |
2 | シナモンロースト(浅煎り) |
3 | ミディアムロースト(中煎り) ←コレ |
4 | ハイロースト(中煎り) |
5 | シティロースト(深煎り) |
6 | フルシティロースト(深煎り) |
7 | フレンチロースト(深煎り) |
8 | イタリアンロースト(深煎り) |
化学反応によって酸味と苦味が現れてきますが、そこまで強く表現されるわけではありません。豆の特性をそのまま活かした焙煎が好みの方や、ガツンとくるコーヒーが苦手な方にはおすすめできる焙煎度となります。
自家焙煎でミディアムローストに仕上げる方法
自家焙煎の場合は、次のような時間を意識していただくと、ミディアムローストに仕上げられるでしょう。
- 10分間火を加え、1ハゼさせる
- 一度火をとめ、豆の色味を確認する
- 2ハゼが始まる前に止める
これだけだと、少しわかりづらいので、写真付きでやり方を紹介しますね。
まずは、手網に豆を入れ火をかけます。
火に対して平行に手網を持ち、左右に揺らし続けましょう。豆の一部だけに火が入りすぎないことを意識し、均等に熱が加わるようにすることが大切です。
チャフ(薄い皮)が飛び、豆がパチパチと音を立ててきたら、1ハゼがスタートした合図。そのまま10分ほど手網を左右に揺らし続けると、次第に音が止み、パチパチと音がしなくなります。
イメージ的にはこのくらいの色合いですね。この状態で「シナモンロースト」くらいです。ミディアムローストが良いならもう少し焙煎しましょう。次第に、1ハゼよりも少し小さな「パチパチ」という音が発生してきます。
時間にして2〜3分程度でしょうか。そのくらいのタイミングで止めて、下の画像のような色味になればミディアムローストの完成です。
ちなみに、熱がこもった状態でそのまま放置すると、焙煎がどんどん進行していき、ハイローストになってしまいますから、焙煎後はうちわもしくはドライヤーで粗熱を取ってあげましょう。
ミディアムローストしたエチオピア イルガチェフェの味わい
ミディアムローストしたエチオピア イルガチェフェを使ったコーヒーは、ジャスミンのような甘い香りと、鼻を抜ける若干の苦味がとてもマッチします。そもそもエチオピア自体が甘みを持っていて、すっきりと果実感のある味わいなので、コーヒーのガツンとくる感じが苦手な人でも楽しめると思います。
そして、コーヒーというよりは、どちらかというと「紅茶」に近い感じ。普段カフェで飲むコーヒーとは、また一味違う印象を受けるはずです。
おすすめの飲み方
豆を挽いた時の「ほのかにかおる甘い香り」を引き出してあげるのがおすすめです。甘い香りは沸騰した熱々のコーヒーよりも、少し温度が下がった状態の方が感じやすいので、抽出後、85〜87度あたりを目指すのがおすすめです。
そして、レシピは豆の16倍のお湯で抽出してあげるのがスタンダードでいいと思います。1杯のコーヒーを作るなら、15gの豆に対して240gのお湯を使う感じになりますね。
まず、1投目は豆の旨みや苦味、甘みなどの特徴を最大限引き出すので、熱々のお湯を使ってOK。沸騰したお湯を使って蒸らしましょう。この時、湯は全体の3割程度を使うのが個人的に美味しいと思います。
240gのお湯を使うなら、70g前後を最初に使います。面倒臭い方はそこまで厳密でなくていいので、めけんでやってみてください。
2投目は少し温度を下げたお湯を使います。1割未満の冷水を加えて、お湯の温度を100度から95度に下げるようなイメージを持つといいです。このくらいの温度を目指すと、抽出後にちょうど87度あたりになるはずです。
ちなみに、もう少し温度を下げていくと、キャラメルのような味わいに少しずつ変化していくので、そちらが気になる方は一度試してみると良いでしょう。
今回の内容も参考に、自分好みの温度を探してみてください!
まとめ
今回は、ミディアムローストの特徴と味わいについて紹介しました。ローストの具合によってコーヒーの味わいは大きく変化します。もちろん、豆の種類も関わってきますが、個人的には、ローストによって変わる部分が非常に大きいと思っています。
自家焙煎をする方や、焙煎所で豆を購入する方は、本記事の内容も参考にしてみてくださいね!