現在「押入れの暮らし」というブログを運営していますが、結構みなさんから
なんで押入れの暮らしなの?
という質問を投げかけられます。
僕にとっては、ものすごくあたりまえのことで、説明をするまでもないかなと思っていたんですが…
最近、実は結構そこが重要だなと思ってきたので、その辺り詳しく紹介しようと思いました。
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押入れとはじめて出会った日
物心ついた時には、すでに「押入れ」という存在を知っていました。多分、保育園で自分が最初に読んだ「おしいれのぼうけん」という少し長めの絵本?のインパクトが強すぎて「押入れは怖いものだ…」という印象があり、覚えていたんでしょう。
それで、帰ってから自分の家にも押入れがあるのかな?と思って探索してみたら、ザ・押入れがありましたよね、これがまた。
当時はすごく古い賃貸に住んでいました。今この時点から15年ほど前の話なので、もしかしたらそんなものかもしれませんが、トイレは和式で階段はものすごく急でした。7〜8歳頃の僕をもう一度ここに召喚すると、三角定規くらい角度があった(60度ですね)っていうと思います。
まぁ、そんな頃のことなのでうろ覚えですが、、多分、湿気が溜まるのを防ぐために開けっぱなしになっていたと思います。正面右側が空いていて、そこにはゲームのできるパソコンが置いてある。当時100均で購入できた「トロイの塔」が入っていました。
引用元:ダイソー100円(105円)ゲーム レビュー・攻略サイト
トロイの塔は、マリオ(偽)のようなゲームで、エルマーの冒険に出てくる、黄色と青色のドラゴンのようなやつ?がジャンプしたり敵を倒したりして前に進んでいくゲームでした。
まぁそれはいいや。
そのトロイの塔をやるためには、押入れからパソコンを取り出して、コタツの机に持ってこなきゃならない。その時はものすごく押入れが怖いものに感じていて、押入れの左側の暗くなっている部分は見ないようにしてパソコンを回収していましたね。(でもたまに好奇心で見ちゃったり)
そんなのが押入れとの出会いですかね。
押入れは秘密基地であり全てを覗ける場所でもある
そこからしばらくして別のところに引っ越したわけですが、住んでいた場所よりも少し面積の小さいところに引っ越すこととなりました。
そうすると、これまで普通に置いていたモノたちをどこか別の場所へと移動させなければなりませんから、そのモノたちの保管場所として、押入れが使われるようになりました。普段の生活では必要のないモノを保管する場所なので、ほとんど開けることはなく…
その頃には、当時は怖かった押入れでしたが、もう10歳くらいになっていたので全く怖くありませんでしたね。
しばらくして、この記事で書いた友達と家で遊ぶことになりました。
ご近所さんだったので、昼間は友達の家で遊んで、遊び足りなかったら夜に僕の家に来る。そんな感じでした。休日前にはその子の母も含めて真夜中まで一緒に過ごしたりしていましたね。
とくに、面白かったのが電気を消した真っ暗な部屋で隠れんぼをするというもの。6畳程度の部屋には布団や洋服掛け、勉強机、押入れがあり、どこも絶好の隠れ家。声を出さず見つからないようにして、どれだけ長く隠れられるかというのを僕+弟+友達でやっていました。
その中でも僕の最も好きだった隠れ家が押入れ。
なぜなら、押入れの上部に小さい円形の空気孔が空いていて(北方異聞録というブログの記事が空気孔の参考です。)そこから鬼の動きが丸わかりだったから。そして、押入れの中には小さなスペースがあり、そこでゆったりと声を潜めるのが最高でした。
結局いつも同じところに隠れているから、すぐに見つかっちゃうんですけどね。
その記憶が強く残り、僕にとっての押入れとは
誰にも邪魔されずゆったりとできる場所。そして、危険も察知できる場所。
になりました。
今もそこが実家なので、、帰ると必ず「押入れどんな感じかな?」と覗いてしまいます。
ひとり暮らしで押入れデスクに挑戦
大学生になり、寮へ。そこには押し入れなんてものがなかったので、押入れのことはすっかり忘れていました。
しかし、大学4年生の頃、ニシムラタクヤさんのNo.26というブログに出会い、この記事を発見します。
それで思い出しました。
そういえば、押入れって自分にとって秘密基地だったな
ってね!
ひとり暮らしは、自分の決めたことをなんでも実現できる最高の時間。だから、ずっと夢だった「完ペキな秘密基地」を押し入れの中に作ることにしました。そして、その空間を紹介しながら、僕の考え方や生き方を示せれば「押入れからオンエア!!」的な感じになるかなと。
これが、押入れデスクを作ろうとした、もとい、このブログを始めようとした理由です。
今でもニシムラタクヤさんの生き方・ブログ・文章は僕のバイブルです。
ここが拠点である限りどこへでも行ける
それで、実際に押入れデスクを作ってこのブログを立ち上げたわけですが、はじめる前よりも、実際にやってみてから感じることはたくさんあります。
とくに「安心感」の部分で、押入れデスクは最高だなと思いますね。これは作る前には考えてもいませんでした。
これは非常に感覚的な話ですが「押入れ」という自分の基地があるからこそ、何にでも挑戦できるというか。押入れという落ち着ける空間があるから、少しアクティブになれるというか。
それは「自分の家がある」というのとも全く違う話だと思います。たとえるなら、押入れに入っている自分が歩いている感じ?(ものすごく抽象的ですみません…)
「世界」という大きなものを「押入れ」という小さな場所にいる自分、という切り口で話ができる感じなのです。
ここを拠点とすれば、僕はナニモノにでもなれる気がします。
この場所はいつでも暖かい
世界は変わり続けていて、とても喜ばしいとはいえないニュースがたくさん起きます。それは僕の身の回りでも起きていて、、
たとえば、令和6年能登半島地震、お世話になっているアトリエ、ナミイタの焼失、少し気になっていた大学教授の訃報などなど。
割と心に来るニュースが立て続けに発生していますが、押入れという場所があるから、僕は文章の力を使って落ち着いて考えることができます。この場所はいつも暖かく、僕に考えるチャンスを与えてくれます。
自分の好きなモノに囲まれているから
この暖かいパワーはどこから生まれているのか?と考えてみました。多分、押入れというその空間全てが僕の好きなもので満たされているからだと思います。どこを見ても顔馴染みしかいない。何度も使い続けたモノたちが、僕をサポートしてくれるから頼り甲斐があります。
だからこそ、僕はこれからも押入れにこだわりたいです。もしかすると、この場所は賃貸なので、いつか新しい場所に引っ越しするかもしれません。そうなっても、僕は押入れを使い、今の場所をシミュレートしたいと思っています。
そうしていくと、僕と押入れの関係性が少しずつ育っていき、僕の人生を示すツール=押入れという状態になると思うんですよね。宮崎駿の愛車シトロエン・2CVが元となった二馬力のように。
長い年月をかけて押入れを少しずつアップデートしていく。僕が押入れにこだわり続ける理由です。