火事から3ヶ月が経った。
新しい部屋に移ってからは2ヶ月。字にしてみると、思っていたより短い。
あれだけのことがあったんだから自分も変わっただろう、と思っていた。でも内側はそんなに変わっていない。考え方の癖も、落ち込み方も、だいたい前のままだった。(変わったことにしておきたかったのは、たぶん僕のほうだ)
変わったのは、外側だった。
部屋が変わって、人付き合いのやり方が変わって、人とのコミュニケーションの取り方も少し変えた。仕事の色も変わった。失ったものは戻ってこないけれど、それを取り戻そうとする動きだけじゃなくて、新しいものを取り入れようとする動きのほうが、いつのまにか増えていた。
昔の僕は、押入れにとらわれていたと思う。
それはそれで、嫌いじゃなかった。狭いところに好きなものだけ並べて、じっとしている時間が、僕はわりと好きだった。今でも戻りたい気持ちはある。でも、たぶんもう戻れない。
新しい部屋には昇降デスクを入れた。それだけのことなのに、開けた場所で仕事をするようになったら、仕事への向き合い方のほうが変わってしまった。自分が何をすべきなのか、その解像度が少しずつ上がっていった気がする。
前の僕の悩みは、もっと手前にあった。
ブログを伸ばすにはコンテンツを作るしかなくて、それは全部人力で、しんどくて、何度も挫けそうになる。お客さんに価値を届けたいのに自分の実力が足りなくて、納品が遅れて迷惑をかける。そういう、現場の悩みだった。(今もあります。念のため)
それが最近、少しずつ経営の話に変わってきている。というより、そういう高さで考えないといけない場面をもらえている、という感覚のほうが近い。悩みが減ったわけじゃなくて、悩む階層が一段上がっただけだ。
手段も変わった。
昔の僕がブログをやると言ったら、SEOをゴリゴリやるコンテンツマーケティングしか頭になかった。それしか知らなかったからだ。今はAIがあるから、WordPressに今までは作れなかった機能を自分で足せてしまう。技術に頼っている部分はもちろんある。けれどこれは、昔の経営者が人をうまく使っていたのと、たぶん同じ話なんだと思う。人か技術かが入れ替わっただけで。
だから、労働集約型の仕事からは少しずつ抜けていかないといけない。とはいえ労働集約型には、確実に利益が取れるという身も蓋もない強さがある。そこは天秤にかけながら、それでも最終的にはシフトする。しないと間に合わない。
何に間に合わないのか。時間だ。
こういうことを、前は2、3年のスパンで考えていた。3年かけて変えていこう、くらいの気持ちでいた。でもAIがこれだけ出てきて、いろんな力を借りられるようになった今は、同じことを3ヶ月で考えないといけない。単位のほうが変わってしまった。
3年が3ヶ月になったということは、ひとつのことをじっくり抱えていられる時間が、単純に12分の1になったということでもある。
……そりゃ、押入れに戻りたくもなる。