Kickstarterで見つけたとき、「これだ」と思った。カードサイズのスマートフォン。正方形のディスプレイ。回転するカメラ。押入れの暮らしに、これ以上ちょうどいいデバイスがあるだろうか。
ikko MindOne Pro。オーディオメーカーとして知られるikkoが作った、手のひらに収まるAndroidスマートフォンだ。支援してから数ヶ月、ようやく手元に届いた。
開封。箱の中の小さな存在感

外箱はクラフト紙にikkoのロゴだけ。この時点で好感が持てる。過剰なパッケージは、狭い暮らしには向かない。
中から出てきたのは、マットな白い箱。「MindOne Pro」の文字と、淡いグラデーション。「Internet Built-in Global」という控えめなコピー。

箱を開けると、本体とUSB-Cケーブル、SIMピン。それだけ。充電器は入っていない。今の時代、それでいいと思う。
カードサイズという正解

手に取って、まず驚いたのはサイズ感だ。86 × 72mm、厚さ8.9mm。クレジットカードに近い。でも手に持つと、ちゃんと「デバイス」としての存在感がある。
4.02インチの正方形AMOLEDディスプレイ。解像度は1240 × 1080。画面比率がほぼ正方形というのが面白い。今の時代、縦長ディスプレイに慣れきった目には新鮮に映る。
Note: ディスプレイにはサファイアガラスが使われている。硬度9H。日常の傷に対して、かなり心強い。
透明ケースが標準で付属しているので、別途購入する必要はないし、不安もない。
こういうちょっとした心遣いはユーザーにとって、非常に大きな魅力だなと思う。

回転するカメラ、という発明

このデバイスで結構気に入っているのが、回転式のポップアップカメラだ。50MPのSonyセンサーが一つだけ搭載されていて、180度回転することでインカメラとアウトカメラを兼ねる。
カメラを2つ積む代わりに、1つを回転させる。限られたスペースの中で機能を最大化する。この発想は、押入れの暮らしに通じるものがあると思う。
スペック、ざっくりと
中身も一通り把握しておこう。搭載されているのはMediaTek MT8781(8コア)、RAM 8GB、ストレージ 256GB。Android 15がベースで、ikko独自のAI OSも載っている。
バッテリーは2,200mAh。メインスマホとしては少し心もとないけれど、2台目として使うなら十分だ。(僕は完全にこの1台に乗り換えているが)動画再生で最大16時間という公称値もある。
ちなみに、キーボードケースを別途購入しており、そちらをつけると500mAh増えるらしい。
届くまでにもうちょい時間がかかりそうだ。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| ディスプレイ | 4.02″ AMOLED(1240×1080 / 90Hz) |
| プロセッサ | MediaTek MT8781(8コア) |
| メモリ / ストレージ | 8GB / 256GB |
| カメラ | 50MP Sony / f1.88 / OIS / 180度回転 |
| バッテリー | 2,200mAh |
| OS | Android 15 + ikko AI OS |
| サイズ | 86 × 72 × 8.9mm |
| 特殊機能 | グローバルvSIM / Hi-Fi DAC内蔵 |
地味に嬉しいのが、Hi-Fi DAC内蔵という点。ikkoはもともとオーディオメーカーだから、ここには本気を感じる。押入れの中でイヤホンをつないで音楽を聴く。それだけで、このデバイスを買った価値がある。
そしてもう一つ、vSIM(バーチャルSIM)。物理SIMなしでも、世界140カ国以上でデータ通信ができる。旅先でSIMを探す手間がなくなる。「Internet Built-in Global」というコピーは伊達ではない。
電源を入れる

電源ボタンを長押しすると、黒い画面にikkoのロゴが浮かび上がる。このシンプルな起動画面が、このデバイスの性格をよく表している。

「Hi there」。Android標準のセットアップ画面が現れる。ここからは普通のAndroidスマートフォンと同じ。Googleアカウントを入れて、Wi-Fiをつないで、初期設定を済ませる。
正方形の画面でAndroidを触るのは不思議な感覚だ。見慣れたUIが、アスペクト比が変わるだけでまったく違うものに見える。
この小ささに、全部入り
86 × 72mm。この小さな筐体の中に、50MPカメラ、8GB RAM、256GBストレージ、AMOLED、Hi-Fi DAC、グローバル通信——全部入っている。正直、初めてスペックシートを見たとき目を疑った。
小さいから妥協している、ではない。小さいのに全部ある。この感覚が、たまらなく良い。
音楽を聴けばHi-Fi DACの実力がわかる。カメラを回転させれば50MPの写真が撮れる。vSIMを有効にすれば、世界中どこでもネットにつながる。一つひとつが「おまけ」ではなく、ちゃんとした機能として成立している。
それに——このデバイスは、カスタマイズの余地が大きい。
というのも、ミニマルな表情のこいつに標準のホーム画面は似合わないと思ったからだ。
小さいことは、引き算じゃない。密度の高い足し算だ。
というわけで、次回は実際にこのMindOne Pro用のランチャーアプリを自作した話を書こうと思う。正方形ディスプレイに最適化された、押入れの暮らしのためのホーム画面を。
手のひらに収まるサイズ感。
この小ささに、ここまで詰め込んでくれたことに、素直に感動している。